医者のマスク

聴覚障害者にとって、診察の障害になるものにマスクがある。

医者がマスクをすると、その発音が不明瞭になるばかりか、口形も見づらくなる。難聴者は、口の動きによる情報をかなり利用して、相手が何を言うかを判断しているからだ。手話を使うろう者も同じである。口の形が手話の構造の一部をなしている。

つまり、医者がマスクをすると、何を言っているのか、聴覚障害者には理解しがたくなるのである。

インフルエンザの時期などは、特に医者は神経質である。風邪をもらわないために、患者の前ではマスクをする。そのマスクがコミュニケーションをする上で、どれだけ障害になることであろうか。

もちろん、風邪をうつされないことも大切である。せめて、病気の説明をするときぐらいは、一歩下がってマスクをはずして話しをしてもらいたいものである。

一番問題なのは、医者がマスクをすることで、それが聴覚障害者に伝わりづらい原因になっていると、気づいてすらいないことである。お年寄りが立っていたら、席をゆずる。同様に、聴覚障害者がきたらマスクをはずしてほしい。そんなマナーが必要であろう。

聴覚障害者が病院で不満に思うこと。医者がマスクをはずさないこと。マスクをしている医療スタッフ

 

平野浩二 について

東京で開業している耳鼻咽喉科医師です。
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医者のマスク への3件のフィードバック

  1. ピンバック: マスクが聴覚障害者とのコミュニケーションの妨げになると知っていますか? | STナビ

  2. 森出尚子 のコメント:

    初めてこちらのホームページにたどり着きました。
    こういった活動の存在は、私のような聴覚障害者を元気付けてくれます。
    医療を受けるにあたり、困ることの多い聴覚障害者に広く知られることを願ってやみません。
    ところで、医師のマスクについてですが、私は、特にインフルエンザの時期には、私自身がマスクをして受診するようにしています。
    医師には、インフルエンザ等の症状はないのですが、私がマスクをしていますので、口の形が読み取れるように、マスクを外して頂けませんかと伝えると、気持ちよく外して下さる先生が多いです。以前よりずっと、医療機関のスタッフの理解が得やすいようになっています。
    きっと貴会の活動等が、その後押しをしてくれているのだろうと感謝しています。

    • 平野浩二 のコメント:

      マスクをしているとダメだと言っても、どれぐらい理解に影響するのか、またどれぐらいの聴覚障害者が困っているのか、はっきりした調査データはないのです。そのデータをとり、それをもってマスクをはずそうという運動に結び付けていけたらと思います。

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