聴覚障害者にとって、診察の障害になるものにマスクがある。

医者がマスクをすると、その発音が不明瞭になるばかりか、口形も見づらくなる。難聴者は、口の動きによる情報をかなり利用して、相手が何を言うかを判断しているからだ。手話を使うろう者も同じである。口の形が手話の構造の一部をなしている。

つまり、医者がマスクをすると、何を言っているのか、聴覚障害者には理解しがたくなるのである。

インフルエンザの時期などは、特に医者は神経質である。風邪をもらわないために、患者の前ではマスクをする。そのマスクがコミュニケーションをする上で、どれだけ障害になることであろうか。

もちろん、風邪をうつされないことも大切である。せめて、病気の説明をするときぐらいは、一歩下がってマスクをはずして話しをしてもらいたいものである。

一番問題なのは、医者がマスクをすることで、それが聴覚障害者に伝わりづらい原因になっていると、気づいてすらいないことである。お年寄りが立っていたら、席をゆずる。同様に、聴覚障害者がきたらマスクをはずしてほしい。そんなマナーが必要であろう。

聴覚障害者が病院で不満に思うこと。医者がマスクをはずさないこと。マスクをしている医療スタッフ